私の最悪の幼馴染。
スクールデイズ
「こら、彩子、いつまで寝ているつもりなの!?」


朝から母親のどなり声が家じゅうに響き渡った。


1階の台所からのはずなのに、2階の部屋に居る私にも良く聞こえる。


携帯のアラームと、母親のどなり声。


これがないと、私は残念ながら起きられない。


「んー、あと10分・・・」


枕に顔をうずめ、そんなことをもごもご言っていると。


「何言ってるの!!いい加減に起きなさい!」


そんな母親の声と同時に、厭味ったらしい声がもう一つ。


「いい加減に起きろよ、バカ」


その声に、思わず勢いよく体を起こした。


「っちょっと!何でアンタがいるのよ」


ドアに寄りかかって、腕を組む奴。


長い脚を自慢したいのか、足まで組んでいる。


一之瀬隼人。


私の幼馴染だ。



「俺は朝ごはんを頂いているお礼に、お前のお母さんの手伝いとして、


このバカを起こしに来てあげているわけ」


「ったく。なんだよ、お前に言われる筋合いはねぇ!」


朝から厭味な面を見せた報復に、枕を思いっきり投げつけたが。


「甘い」


いとも簡単にかわされてしまった。


「こらー!いい加減に起きなさい、彩子!」


母親の声がヒートアップしている。


「あー、もう起きているよ!!」


母親に負けない私の大声が、家じゅうに響き渡った。


確実に近所迷惑だと、しみじみと思う。


「早く着替えて、髪ぐらい梳かせよ。それじゃ見るに堪えないからな」


「~~~~~っ」


最後の厭味を残して、奴は階段を下りた。


母親と談笑する声が聞こえてくる。


「アイツ、朝から本当にムカつく!!!」


ブツブツ文句を言いながら、私は急いでパジャマから制服に着替えた。








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