大切なもの…〜cherry tree〜
振り向いた時の達也君の顔が、
頭から離れない。
耐え切れず、
真奈は、声を出して泣いた。
あの夢を、
真奈の記憶から消すように…
すると、座りこんで泣いている
真奈を誰かが後から抱きしめた。
夢が現実に
ならないように
真奈は振り向かなかった。
でも、
真奈を抱きしめる人は、
自分の方へむかそうとする。
真奈は目を固く閉じた。
動きが止まり、沈黙が続く。
ゆっくりと目を開けると、
目の前にいる人を見て
真奈の頬に、また涙が流れた。
そして、
もう一度目を閉じた。