秘密のkiss
柊が、一向にくる気配がないため、私は平井くんに促されるままお弁当を食べ始めた。
まぁ、いない方が色々と説明しなくて良いけれど。
私は、お母さんの作ったお弁当を食べ、平井君はコンビニ弁当を食べていた。
ふと見ると、平井くんの髪が、食べているコンビニ弁当に何度か入り、その度に彼は髪を避けている。
「髪、うっとうしくないの?」
ふいに言葉が出た。
少し驚いたように平井くんは私を見る。
「すげー邪魔」
ジュースを飲みながら、本当に煩わしそうな顔をして彼は言う。
「なんで、伸ばしてるの?」
「別に大した理由はねーよ…。ただ、」
「?」
「昔、好きだった女に、髪、褒められたことがあって。その時からの癖で、何か伸ばしてる…」
言われてみれば、彼の髪はさらさらと輝いている。
「そう…」
「あれ?笑わないんだ」
ニヤニヤしながら彼は私を見る。
「え?」
「俺のダチなんてこの話したら皆爆笑だぜ」
そう、笑顔で平井くんは言う。
「私も、同じような理由だから…」
私は、微笑みながらそう言った。
『さらの髪って、綺麗な色だな』