アクセル。
ようやく水替えが終わり、病室へと戻っていく。



長い廊下を歩いて、病室に入ろうとした時、



篤美さんの声がした。




「…淳之…。私…怖いの…。ねぇ…、一緒に…来てよ…。」




初めて聞く、篤美さんの弱々しい声。




なんだか、今ここで入っていくのは気が引けた。



タイミングを見計らおうと思って、聞き耳を立てる。


今思えば、そんな悪趣味と思われるようなことしなければ良かったと思う。



でも、篤美さんの弱々しい姿なんて見たくなかった。


見てしまったら、やっぱり篤美さんにはあっくんが必要なんだと思ってしまう。




私は邪魔な存在なんじゃないかって。



篤美さんには強くあってもらわないと困る。




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