アクセル。
「ふ〜ん。」

全てを聞き終えたお姉さんの顔は納得がいかなくて不満げだった。

ふ〜んって;;


「そのあっくんっていう人、その人ってどうなの?」


どうって言われても…。

どうなんだろー;;


「BBQでアド交換して、ご飯食べに行ったところまでは分かる。まあ、映画も赦せるとして…。大晦日は無いだろ。しかも葵ちゃんいわく、恋人?そういう存在の篤美さんがアメリカにいるってのに。」


んー;;まぁ確かに。
篤美さんには悪いとは思った。

でも私は楽しんでしまった。



「ってか本当に恋人なの?あっくんはそういうじゃないって言ったんでしょ?」


「でも、病院で…;;」


「いや、間違いなく葵ちゃんに好意はあるよ。今もメールしたりしてるんでしょ?
それに日本にいるんだし。あたしだったら拒否られてでも心配だから行くと思う。」


「はぁ、まあ。」


「葵ちゃん、アクセル踏まなきゃ、どんなに速くてカッコイイ車だって前には進まないんだよ?」



そういってお姉さんはニコッと笑った。


それは私だけでなく、お姉さん自身にも言い聞かせているようでもあった。


自動車学校に通っている私達だからこそ通じる最高の極意であるかのように聞こえた。



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