アクセル。
「メール、してみなよ。

本当はしたいんでしょ?」



聡子はさらに畳み掛けるように言った。





そりゃまぁ、したいけど…。





「葵のケータイに使わなくなったアドってある?」



「へ?」



聡子はいきなりそんなことを聞いた。



「え、まぁあるよ。そんなのいくらでも。」





「うん。私もある。
メールって簡単に送れちゃうけど、一旦送らなくなると全然送らなくなっちゃうよね。」



…確かに。



「その使わなくなったアドさ、やりとりしてた時は生きてるように何度もケータイ画面に現れてたのに、

使わなくなるとまるで死んじゃったみたいになって、ケータイ画面に映るどころか、登録されてることさえもそのうち気づかなくなっちゃう。

葵…アドって死ぬんだよ。」





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