アクセル。
夏休みはとっくに終わっていた。



講義は全然頭に入ってこない。


完全に上の空。



ノートはしっかりとっている。

黒板に書かれたところだけ。



目と手を使って素早く写し取る。



端(ハタ)から見れば、かなり真面目に講義を受けている学生に違いない。




でも、頭だけは土曜日のことでいっぱいだった。



当然、隣の席に座っている聡子の視線には気づかなかった。



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