ライフ オア デスティニー



「彼」はどれだけの間、閉じこもっていたのだろう。近くに寝暮らしした形跡がそもそもない。響いてくるのは女の嬌声、亡者のうめきと悪魔どもの愉悦。これは悪夢か? ほとんど絶壁のような壁が乾いた音をたてる。

「彼」はと言うと、骨と皮だけのような肉体が、そのぼろ切れのような服の穴からのぞいている。



(これは……使えなさそうではある。実戦ではどうか……)



 彼女の喉が鳴る。



(けど)



 エヴはすぐに考えを翻した。

 この華奢な体でコクーンを破り出てきたのだ。潜在能力が低いとは実際、言えない。ゴルドンがここまでするには理由があるはずだ。彼が幾重にも重ねたオーラのネットを破り抜けてしまうのだ。彼は並々ならぬ力を感じさせる。






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