ライフ オア デスティニー



エラルドがふん、と横を向き、



「ほんとに一人でいっちゃうつもりだったの、あんたは」



 エヴァンジェリンが背の高いエラルドを振り仰ぐ。エラルドはかすれた声で言って、瞳の色を隠すように目を眇める。彼女にはほとんど表情が見えない。



「ほんとに、何も……言わないでか?」



「そ……んなわけ……」



 僅かながら、チップを置いてきた。なんだか朝になってみると、彼女自身、夕べのヤンチャぶりが心にきたすところはあったわけで。周囲にとって自分の存在自体が理不尽で無いと良い、良いんだが……と思っていると、



「いっとくけど、昨晩の泊まり賃のことじゃーないよん?」



「じゃあなんなのよ」



「ゴルドンじーさんが何してるか、いや、何をしてきたか、他の奴らに知られて困ることは?」



「嫌味な奴」








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