才能に目覚めた少年
25. 終焉
地上に降りて、僕は男の近くまで歩いた。








男はメスを抜いていた。







だが、誰が見てももう戦える状態ではない。









「グッ…」











声に出さないようにメスを抜いているが抜いても抜いても続きがあった。










この男はもうおしまいだ。







あとは殺すだけだ。







僕は『念力』で男を操った。









もう『強化』能力を使うほど体力は残っていないだろう。










仰向きに寝かせ、僕は男を見降ろした。














「殺せ…」












力尽きた男が発した一言だった










僕はメスを『具現化』させた。












身体を動かすことさえ許さないほどの『念力』で男は何もできない。











この男をやるのに一本で十分だ。

















僕はメスを振りかざし、心臓目掛けて…
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