傷跡

踏み込んだ一歩



『あたしも…光輝と同じ仕事がしたい…。っていうかする!』





気付けばそんな言葉を口にしてた。


今までも…何度かそんなことを言ったことはあったけど。


これまでとは違う…固い決意をして言った言葉。





『もういいって。やらなくていいから。お前はそんなことしないで家にいてくれたらそれだけでいいんだよ』




だから…

光輝はそう言って首を縦にはふってくれなかったけど。




『やだ…。光輝のこと分かりたいんだもん。立場とか仕事とか。同じ仕事をしたら気持ちとかももっと分かってあげられるでしょう?』




その時初めて…


流されてしまいそうな光輝の言葉に反論してた。




『やだってなぁ…マジかよ…』



返事に困っていた光輝は、とりあえず考えておくと言って、結局その日、いい答えはもらえなかったけど。




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