傷跡

未来へ





『予約してるお店があるんだ』




千葉から東京に戻り、ブラブラと車を走らせていた光輝が、いきなりそう言って某高級ホテルの駐車場へと入っていった。



超キレーなホテルじゃん。


まだ若すぎるあたし達には不釣り合いなそんな場所にも感じたけど、車を降りたあたし達はそのままフロントへと向かい、光輝が3211と刻印されているホルダーのついた鍵を受け取ると、そのままホテルの32階へと向かった。





『部屋はここなんだけどさ』




そして、部屋を開けてくれた光輝にエスコートされ、あたしは中へと歩いていく。




『わーっ!すごい!超キレー!』




窓の向こうにはキラキラ光る景色が広がっていて。


そんな夜景に、なんだかすごく感動してしまっていた。





『超高そうなんだけど』


『だって杏奈誕生日じゃん』


『あ!そうだった』





なんか朝から千葉に行ったりいろいろあったせいか、あたしはすっかり誕生日のことなんて忘れてしまっていた。




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