Liebe
横を向くと綺麗な男の人が私の手を掴んでいた。


「大丈夫?怪我ない?」


「え、と…あ、あの。ありが、と…です」


誰だかはわからないけど、助けてくれたみたいなので、お礼を言う。

全く知らない人。


心配しているような、呆れたような目で私を見るその人。


「何で降りようとしたの?危ないじゃん」


「う…お花が、綺麗で…その、みてたら、鍵…」


「鍵?」


「う、ん…鍵落としちゃって…えっと、だから…」


「取ろうとしたの?あー、ちょっと待ってて」


といって軽々と橋から下に降りる男の人…


「あ、危なっ!?えと、危ないです…。あの、大丈夫ですから!!」


「良いから、待ってろよ?」


「あっ…」


そう言われてしまうと、何も言えないので大人しく待ってることにした。


あそこにあっても誰も鍵なんて取らないし、予備の鍵があるから平気なのに。


「だ、大丈夫かな…?」


私の身長じゃ、見えない…。


数分経って、気がついたら男の人が目の前にいた。

「ほら、これでしょ?」



間違いなく、そこにあったのは、さっき落した鍵だった。
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