Liebe
「あ、ありがと…ですっ!!」


「もうあんなところ登っちゃダメだよ?落ちたら死んじゃうし」


笑いながら言う男の人。なんか、格好良い…。


「はい…」


「んで、ほら。これだろ?」


「え…?」

そう言って差し出されたのは、さっきの綺麗な花だった。


「え、あの…大丈夫ですからっ」


流石に悪いと思って断った。ちょっと綺麗だなって思っただし…。


「いいから持ってろ。ほら」


手に握らされた花。


なんか、いい人…?なのかな?


「あ、ありがとです…」


「いいよ、君…名前は?」


「うと…祈姫ルウ、です…」


「きひめ、るう?なんか珍しい名前だな」


よく言われる。


そんなに珍しいのかな?


「俺、椎藤 蓮。よろしくな」


しいどう、れん…。



「よ、よろしくお願いします…」
なにがよろしくなのかがわからなかったけれど、敢えて触れない。

「ルウだっけ?ハーフ?」


多分、私の髪の毛と目を見て言ったのだと分かった。


「うん、ハーフ…」


生まれつきの、亜麻色のウェーブがかった髪と、青色の目。
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