CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=



「じゃあ、お兄ちゃんはナナちゃんに任せるねぇ。

おいらもいつかは会って話をするよね。」


『その時は頑張ってね!』


「は~い!」


『今度、バンドの皆さんにも紹介してねぇ!

ジョージ君のお友達とも仲良くなりたいわ。』


「良いよ~ん!

ギタリストはチャンスって言って、在日韓国人なんだけど、3才下の妹がいて、もう一人在日韓国人なんだけどベーシストのテジュン、彼にも3才下の妹が居るんだ。

その妹同士も同級生で一緒にバンド組んでるんだよん。


ドラムは、名前がケントって言ってお父さんがフランス料理のシェフやってるんだよ。

だから、ケントも料理が上手なんだ。

多分、大学卒業したらコックさんになるかも。

ボーカルはKYUが抜けちゃったから、新しくシン君って言うのが入ったんだけど、彼は仕事が忙しいから、多分バンド活動は続けられないかもしれないんだ。」


『大変そうねぇ。
ボーカルが居なかったら、なかなかライブも出来ないんだよね!

どうするの!?』


「今はまだ分かんないけど、多分ギタリストのチャンスがボーカル遣りながらギター弾くとおもうよん。」


『じゃあ、今度ライブ遣るときには絶対に誘ってね!』


「良いよ~ん!
任せといて!

ところで、ナナちゃんは普段は何してるの?」


『私は、ママの命令で花嫁修行中なの。

お茶とお花と料理を習っているの。

大学は、W大学の人間科学部で健康・福祉学科を専攻してるのよ。』


「初めて聞く学部だねぇ。」


『いかに楽しく健康な生活が送れるかを考える学科なの。』


ナナちゃんと話していると楽しくて、時間が経つのも早く、気が付いたら夕方の5時を回っていた。


おいらは、ナナちゃんを車に乗せて自宅前まで送って、10日後の来週の土曜日にまた会う約束をして別れた。


それまでに、300コのタガログ語の単語をマスターしてみせるよ~ん!



~♪~♪~♪~♪~


翌朝、ナナちゃんからメールが届いた。


《Sub:昨日は楽しかったです

本文:昨日はありがとうございました。

ジョージ君のいきなり告白するにはビックリしましたが、とっても嬉しかったです。

それでは、今日のレッスン

ハイ→oo
イイエ→hindi
ご機嫌如何?→kamusta ka?
元気です→mabuti
‥‥‥‥》
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