CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=
 


じいちゃんは忙しそうにしていたので、俺は雅(ミヤビ)にお土産でも買ってやろうと、大型ショッピングモールに向かって歩いた。


ミヤビは俺の彼女。
彼女も在日韓国人なんだ。

本名は、

林 善雅(イム・ソナ)

通称名は、

林 雅(ハヤシ ミヤビ)

なんと、14才。

妹の同級生なんだよなぁ。

妹が、中3の時に出来た友達で、うちに遊びに来ていたのを偶々見かけて、俺の一目惚れだった。

大人びた容姿に、160cmの長身は、最初俺とタメかと思った。
笑うと幼くって言うか、年相応に見えるんだけどなぁー。


そんで、妹に頼み込んで紹介して貰ったんだ。

そしたら、彼女も俺と付き合いたいって、超ラッキー!

妹のソラとミヤビは、高校に入ったら一緒に軽音楽部に入って頑張るんだって。

ソナとは、なんか話しも合うんだよなぁ……


なんて、出会った頃を思い出しているうちに、ショッピングモールに到着した。

明洞(ミョンドン)は、何でも揃ってる。

何が良いかなぁ?なんて考えてたら、アクセサリーのお店が在った。

韓国は、水晶が沢山採れるから、店内はクリスタルやアメジスト(紫水晶)、スモーキークォーツ(煙水晶)などで作られたアクセサリーが、沢山並んでいた。


そん中にルチルクォーツ(針水晶)のクラスターで作ったチョーカーが有った。

透明な6角形で先が尖っていて、中に金色の細い針の様なルチルがキラキラ輝いて綺麗だ。


値段は…………って

値段が付いてない。

「アガシ、イゴスン オルマエヨ?(おネエさん、これいくら?)」

『イ-シプマノ(20万ウォン)』

たっけ~~!ビックリした。俺の小指より小さなクラスターが2万円とは……

いくら彼女へのお土産でも、高すぎるだろ!ちょっと値切ってみるか。


「アイグー、ピッサナヨ。カカジュセヨ?(うーわ~高過ぎ。まけてよ?)」


『チャンカンマンナ。(少々お待ちください)
………

イルシプマノド ケンチャナヨ。(10マンウォンで良いですよ!)』

オイオイ、いきなり半額かよ。凄いなぁ。

「クロム、イゴスルチュセヨ。(それじゃあ、これ下さい。)」

『コマッスミダ。(有り難うございます)』

プレゼント様に可愛く包装して貰った。
ついでに、俺の気に入ったシルバーのゴツい、スカルデザインの指輪を買った。

 
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