CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
『SEIJIさんが書いたこの《Happy Christmas》、凄いです。』
「KYU、驚いただろ!
今まで、いろんなクリスマスソングを聴いてきたけど、とにかく俺の中じゃトップクラスの曲だと思うよ。」
『ホントに、この曲を貰っても良いんですか?
凄すぎます。』
「でもさ、良く聴いてみたか!?
ちゃんとKYUのキーに合わせて作られているぞ。
やっぱり、SEIJIさんが、天才だと言われるの分かる気がしてきた。」
『ポップな感じなんだけど、軽すぎず、メロディーラインに無理が無くって、各パートの音がお互いに調和が取れていますね。』
「じゃあ、一回通して遣ってみようか。」
『ハイ。』
「ケント、BPM=72をKYUに聴かせて。」
『OK!』
タンタンタンタンタンタン!
「OK?このテンポをキープしてな!」
『わかりました。』
時間が許す限り、俺達は練習した。
帰宅して皆で晩飯の準備!
今日は、久し振りにケントが作ったペペロンチーノとミネストローネである。
「ケント、これ最高だよ。
やっぱり、卒業したら両親と一緒にレストランやるんだ!?」
『あぁ、卒業したら一度フランスに料理と語学の為に留学して、3年ほど修行してみようかと考えてるんだ。』
「テジュンは、やっぱり韓日物産だろ?」
『あぁ、そういう事になると思うよ!
卒業したら、日本と韓国を行ったり来たりの生活になるだろうなぁ。』
「ジョージの家は呉服屋だから、卒業して実家を手伝って、ゆくゆくは後を継ぐんだろ!?」
『そうだね~!
ちょっと堅苦しいけど、嫌いじゃないし、日本人の着物離れが有るから、若者が好きになる着物でもデザインしたいにゃあ~!』
「KYU、お前はずっと日本で活動して行くの?」
『出来れば、拠点は日本に置いて、韓国でも仕事が入れば、短期的に向こうでも活動してみたいなと思っています。』
「皆、将来の事ちゃんと考えてるんだ。
俺は、少し迷ってるんだよ!
親父の作った基盤が有るから、今までは大学を卒業したら、新星MUSICに入ればそれで良いかって思っていたけど、ミュージシャンとして活動していく選択肢もアリかなって、最近思うんだ。」