CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
「ムチャクチャだな!
しかし、あながちウソでもないか。
俺も、社長に彼等の事を聞かれた時には、韓国で大人気のダンスチームSeoul8に匹敵する実力だと言ったんですから。」
『高山オーナーも、彼等の力を見抜いていたんですね。
私も、彼等の躍りを観ていて、直ぐに頭角を現すと信じていました。
後は、人間性だけだからと思い、東京ドームと言うエサで釣って見ました。
そしたら、思った以上に大物が釣れたようです。
元々は、みんな、気の優しい少年達なんですよ!
誰にも認めらなくて、突っ張って虚勢を張っていたけど、私は彼等を信じて、頑張る為の後押しを、少ししただけです。』
「ところで、来週の日曜日なんだが、原宿店で昼から、4時間ほどの貸し切りで、40名のパーティーが入ってきたんだ。
そこで、こちらの韓国人のスタッフ達を、向こうにヘルプで行かせて欲しいそうだ。
こちらの店は、日曜日は暇だから良いかな!?
代わりに俺達XYZのメンバーとKYUの5人でショーをするから。」
『KYUのショーなら、日曜日でも客が入りますから、そちらの方が助かります。
昼のショータイムは1時・3時ですから。
1ステージ30分くらいです。
そして、2時から10分くらいのミニトークライブも有りますから。
大丈夫ですか!?』
「その日は、学校も無いし、仕事もオフなんで、飯さえ食わしてくれたら大丈夫ですから。」
『生で身近にKYUとXYZのメンバーに会えると宣伝しておきますので、宜しくお願いします。』
「予め、サインを書いて50枚くらい置いておくから、当日に来てくれたお客様にあげて下さい。」
『多分、50枚じゃ足りないと思いますよ!
100枚くらい書いて下さいね!』
「100枚!?
大変だなぁ。
石田店長は、俺達にも仕事増やすんだからなぁ。」
『自分の店なんだから頑張りましょう!』
「そうだな。
じゃあ、そう言う事で、後は宜しくお願いしますね。
売り上げは、いつもの様に夜間金庫に投函しておいて下さいね。」
『分かりました。
お疲れ様です。』
後2日で春休みかぁ。
後期試験はヤバかったなぁ。
どうにか授業にも出席して、4人とも単位も出席日数も足りて、2年生に上がれたから良かったけど、ケントはギリギリだったからなぁ。