CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
その後も、ケントとテジュンの作った曲を練習して、俺とジョージが作った曲もやって、気が付いた時には、閉店時間の深夜1時に近づいていた。
ひとまず今日は、ここでお開きにして、明日は朝10時に無理言ってここを開けて貰い練習する事に!
シン(天道新)が、スタジオに来て開けてくれるそうだ。
俺のマンションに泊まって行けば!?
って誘ったんだけど、スタジオの近くに、新しく出来た彼女の家が在るからと、帰って行った。
シンに新しい彼女が出来ていたとは!
いつの間に…。
紹介しろよ!
って言ったら、
また今度な!
なんて、ニコニコしながらバイクに股がって走り去った。
なんか、あの表情を見ていたら、どうやら俺の知っている子っぽい。
なかなか休みの取れないシンだから、彼女がちょっと可哀想かも…。
KYUとXYZのメンバー全員で、今日はうちに泊まる事にした。
帰りにコンビニで食料を買い漁り帰宅した。
順番にシャワーを浴びて、飯食ってふとんに潜り込んだ。
空いている2部屋には、いつの間にか彼等の服や私物が増えていってるし…。
ふとんも、シングルが4組、いつも押し入れに用意してある。
まるで合宿所状態な俺のマンション。
不思議と嫌な感じはしない。
って言うか、彼等と一緒に過ごす時間は楽しい。
たまにケンカもするが、ムードメーカーのジョージがいると、いつの間にか不思議と仲直りしてる。
ただ、俺の寝室に置いてあるソナの私物だけは触らせないように、キツく言ってある。
そんな事を色々考えながら眠りについた。
翌朝、目が覚めるとジョージがケントと一緒に朝食を作っていた。
オムスパ(スパゲティをオムライス風にしたやつ)と、豆腐入りコンソメスープ、胡瓜とトマトのサラダ、それにアイスオーレと言うメニューだった!
皆でワイワイ言いながら朝食を済ませ、着替えて本郷スタジオに向かった。
そう言えば、以前KYUが作っていたソウルミュージックも完成していた。
ハングル語で歌う事にした、この曲のタイトルは……、
チョンチョニ カジャ
《ゆっくり行こうよ》
と言う。
タイトルや歌詞の内容は、マイペースでやって行こうみたいな感じだが、なかなかパンチが効いた、パワフルなメロディーだ!