CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=
 



『これからも、大学を卒業するまでの残り2年半余り、毎年ジャンルの違う曲を集めたチャレンジアルバムを1枚ずつ出していきたいね!』


「僕もやってみたいです。

シングルも出して、ベストアルバムも出して、チャレンジアルバムも出すとなれば、かなりハードな日々になるとは思いますけど、楽しみです。」


『まぁ、しっかり頑張ってくれたまえ。

君達のCDが、毎回ミリオンセラー飛ばしてくれれば、新星MUSICとしても潤うってもんだよ。』


「お金ですか!?」


『当たり前だろ!?

儲けの出ない商売する商売人が何処に居るよ!?

KYUのデビューにだって、かなりのお金が動いてるんだぜ。

国際フォーラムAホールだって、KYUの為に用意したハコだぜ。

彼処を押さえるだけで数百万円かかってるんだよ。

韓国からSeoul8呼んだり、Seiji君に司会頼んだり! 』


「確かにそうですよね。

そのおかげで、僕達も印税を手に入れた訳だし…。」


『そうそう!

言い忘れていたけど、今まで出した曲を全て携帯で音楽配信されたのは知ってるよな!?』


「ハイ、社長から聞きました。」


『あれも印税が発生するからよ!』


「CDの売り上げとは別にですか?」


『勿論そうだよ。

この間、著作権協会から知らせが来ていたから、今月中には入って来るはずだよ。

前とおんなじ振込先で良いよなぁ!?』


「ハイ、そちらでお願いします。」


『今回の印税は凄いぞ!

1曲420円でダウンロードするんだけど、税金引いて400円に対しての印税だよ。

皆、CD持っていても、携帯の着うたにしたいからってダウンロードしてくれるんだろうなぁ。

CDの売り上げ枚数に匹敵する数の100万ヒット越えだよ。』


「ファンはありがたいですねぇ。」


『だよな!

だから、ファンは大事にしろよな!』


「ハイ、わかってます。」


『ところで、このアルバムのレコーディングなんだが、原宿スタジオにあるベースメント・スタジオで5月15日の土曜日から始めるから。』


「だいたい予定としては何日間くらいですか?」


『それは、本堂と西条に聞いてくれ。

彼等が納得しないCDは発売しないのが、うちの決まりみたいなもんだからな!』


「地獄が待っているんですね…。」


『まぁ、頑張れ。』
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