モテ男と地味子の初恋物語
「ねえ。今朝、元カノと登校したよね?」

「はあ? ああ、そうだったかな」

「どうして?」

「歩いてたら、むこうから声を掛けられたから」

今朝、駅を出て学校へ向かって歩き出した時、後ろから元カノの綾、いや綾子だったかなが、『琢磨〜!』と声を掛けて来た。

「本当に? 待ち合わせたんじゃないの?」

「本当だって」

「腕組んでたよね?」

「さあ、どうだったかな」

「組んでた。私、見たんだもん」

あれは腕を組んだというより、元カノが俺の腕を掴んで寄り掛かって来たんだ。『やっぱり今の彼氏より琢磨の方がいい』とか言いながら。
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