手紙〜高校受験〜
「実梨どうした〜?」

放課後の中庭は何故だか居心地が良い。
実梨は鋭い目付きであたしを見た。


「なんかあったでしょ?奥山くんのこと?」
「べーつーにー。」


「……。」


沈黙が続いた。


「ねぇ…。亜由穂…。知世が可愛くてモテるから羨ましいのはわかるよ。でもね…」

「そんなんじゃない!!」

「あ…ゆほ…?どうした?」

涙が出てきた…。
どれだけ涙を堪えようとしても、鼻の奥がツンとするのは変わりなかった。


あたしは…いつでも幸せそうで、可愛くて、何も知らない知世が…たまらなく羨ましい…。
知世が、輝いてる知世が、笑顔の眩しい知世が…
かっこよくて
すごく素敵で

そして







憎い。





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