レモンドロップス。
「いってきま~す!」
「あら、これから出かけるの?」
午後4時過ぎ、支度をして家を出ようとすると、お母さんが追いかけてきた。
「うん、映画見てくるから晩ご飯はいらないね」
「そう・・・、何時の電車で行くの?車で送ろうか」
お母さんに陽斗のことははっきり話していないけど、なんとなく彼氏の存在は察してるみたい。
誕生日におしゃれして出かけたり、全然興味のなかったライブハウスに遊びに行くようになったり。
こんなに行動が変わったら、まあ気づくよね。
最初は不安そうだったけど、今はお父さんともども見守ってくれている。
「あ、助かる~。お願い!」
「じゃあ行こうか。ってキーがない!」
バタバタと、奥まであわてて走っていくお母さん。
あわてんぼうだなあ・・・、あたしに似て。
「帰るとき、メールするのよ」
「了解!」
「気をつけてね~」
車が止まると、大急ぎで駅の中に駆け込んだ。
もう、結局発車時間ぎりぎりだよ~!
改札口で振り返ると、お母さんは車の中で小さく手を振っていた。