レモンドロップス。


「・・・ゴメン、余計なこと言っちゃった」

あたしの沈黙が菜美に伝わったみたいだ。


「・・・ううん、気にしないで」

あたしは何とか明るく言った。


「ありがと、なんか彩香に言ったらちょっとすっきりしたかも」

「なら良かった、あんまり力になれてないけど・・・」

「そんなことないよ、遅くにゴメンね」



・・・はあ~


菜美の電話を切ってから、一気に力が抜けて、ベッドに倒れこんだ。


さっきまで寝てたはずの布団がひんやり、冷たく感じる。


菜美、大丈夫かな・・・。

言葉とは裏腹に、菜美の声は弱々しく感じたし、気持ちの整理ついてないんじゃないかな。



目を閉じると菜美の声がよみがえってきた。


――― なんで優しくしたのよ?


――― 彩香だって、不安じゃないの?



お願い、すべて大丈夫でありますように・・・。


あたしは布団のなかで、とにかく祈るしかなかった。


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