レモンドロップス。

◇つないだ手


「彩香、なんかあったんじゃない?」

「・・・分かる?」

「ばればれ」


・・・陽斗にはやっぱりバレた。


昼休み、桜の木陰でのんびりご飯を食べてたはずなのに、あたしの元気のなさはしっかり伝わっちゃってる。

陽斗があたしをちゃんと見ててくれてることはすごく嬉しいんだけどね。



「実は菜美と乾君のことなんだけど・・・」

あたしは陽斗に二人のいきさつをすべて話した。



「マジで!?」

「そうみたい、あたしも信じられないんだけど」

「裕次郎がいずみを・・・」


陽斗はなにか考えてるみたいだった。


「陽斗・・・?」

「・・・あいつら、確かに昔から仲良かったけどな。そうなってもおかしくないけど」

「けど?」

「いや、ただの幼なじみだなって思ってたから意外でさ」

明るく、でもちょっとさみしそうに陽斗は言った。


「・・・ずっと同じ関係ではいられないのかもね」

「え?」

思わず出た言葉に、陽斗は驚いたようにあたしを見た。


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