三つの月の姫君
「フェンスの上を越えるのは無理だ。だがこういう障害物を乗り越えるのが得意な者が昔いてな。穴を掘るのだ。フェンスのしたに」


「誰がそんなことを、最初にしようと思ったんですか?」


「オレのペットだ。ミックス犬」


「彼は天才です」


「一応雌だったらしい」


「風変わりなお嬢さんで……」

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