三つの月の姫君
 誠にご愁傷様な話である。


 いや、ひとごとである。


 少なくとも、しばらく前の彼らにとってはそうだった。


 後ろは手入れのされていない、寂れたクインキャッスル。


 前は、赤い岩の転がる砂漠。


「何か言いたいことはあるだろうが、回答役は捕まえてきた、さっきな」



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