三つの月の姫君
「僕に教えない気なのですか?」


 男はけだるげに息を吐いた。


 そして、誘うようにやけに艶っぽい笑みを見せつけ、それだけで青年は震えが走った。


「だから言ったろう。多分あの天の穴から、どういうわけか、過去へと飛ばされてしまった、そして昔のままの古城にたどり着いて」


 男の指先が何かを示し、ゆらりゆらりと何か図のような物を描き、大切な何かを思い出そうとでもうような動きをした。



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