天翔る奇跡たち
「さんせーい」
「しゃんせー」
「あてっ」
ドロップスが勢いよく挙手したので、ちっちゃい拳が、グリフのアゴにストライク。
とんだアクシデントに苦笑するグリフ。
あたしはおかしくて、笑いをこらえてもだえていた。
「あほか、おまえら」
ガナッシュがあきれたように言う。
「落ち着いてー、みなさん、大事な話がありますよー」
あたしが言うと、グリフが口上を始める……
「以上! めんどくさい事になるけど気をつけて。ある意味命に関わることだから」
「大事なときほど、さらっとね」
揶揄するのはガナッシュだ。
「大事が起きても、サラッとね」
仲良くつきあうグリフ。
その膝の上で万歳をしているドロップス。
「しゃらっちょねえー」
自棄になったかガナッシュが、
「いよっ、にくいねえ。なんだその流し目!」
「してないよ! 流し目なんか! だいたい、こんな小さい子供にきかせるなよ……」
ガナッシュがはやすんで、グリフがちょっと怒った顔をしている。
幾枚にも張り巡らされているヴェールをかき分けながら、そのまま出ていった。