ホスピタル



お母さんに電話しとかないと。



「ちょっと電話してくるね」


「はーい!わかったよ〜」



私は自分の部屋に向かった。



私の部屋は、
白と赤で統一してある。


あまり物がない殺風景な部屋。



たくさんの物が置いてある梨磨の部屋とは対照的だ。


『プルルル、プルルル。プルル....』



受話器越しに機械音が響く。



5コール目ぐらいだろうか。


機械音が消えてお母さんの声。


『もしもし梨愛?寝てないの?』


優しい優しい、お母さんの声。

落ち着くな。


「うん。後どれくらいで帰ってくる?」


『あと1時間ぐらいで着くかな。ごめんね梨愛、一人にして』



「大丈夫だよお母さん。お仕事お疲れさま。いつも私と梨磨の為に頑張ってくれてありがとう」


『ごめんね梨愛。いいのよ気使わなくて。ありがとうね』


「ううん。役に立てなくてごめんね。後ね、お母さん。今友達来ててね?電車ないし泊まってもらおうと思ってるんだけどいいかな」

『全然いいわよ。泊まっていってもらいなさい。何人来ているの?お布団ある?』

「5人いるよ。男の子が3人。布団は客室にひいて雑魚寝するから大丈夫」


『そう。男の子の着替えあったかしら?』


「幹也が置いていった服貸してもらったよ」



『わかったよ。でも梨愛が一人じゃなくてよかった。男の子がいるなら安心ね』

「お母さん心配しすぎだよーっ。私は大丈夫だよ。ありがとう。じゃあお母さん、気を付けて帰ってきてね」



『はーい。ありがとう梨愛』



「じゃあ待ってるね」



電話を切る。


お母さん心配しすぎだからっ!



私は大丈夫。大丈夫だからね。


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