教育実習日誌〜先生と生徒の間〜
ゴールイン→スタートライン

花嫁の覚悟


【菫の観察日記】


『一晩中激しくたっぷり仲良しコース・コウノトリ飛来防止措置つき』終了後。


体力の消耗が激しい私とは違い、翌日も先生は元気に動き回っていた。


……どうしてそんなにすっきり・さっぱり動けるんだろう?


昼過ぎまで動けない私とは、身体のつくりが違うのかな?



「そろそろ、起き上がれるか?」


「……うん、何とか。

おはよう、健さん」


「おはよう、菫」


おはようのキスのあと、シャワーを借りて、私も少しはすっきり、かな?


「菫が寝てるうちに、菫の家へ行って、ご両親にご挨拶してきたよ。

海外赴任のことはちょっと予想外だったみたいだけど、結婚については早い方がいいと言われた」


は、早い。


そうだった、いつも先生は素早い行動で私の退路を断つのよね。


まあ、逃げる気はさらさらないんだけどさ。


「それじゃあ、入籍の日は私に任せてもらえる?」


「ああ。教育実習の評価が出る7月以降、俺の書類審査が始まる9月中旬までの間で頼む」


「うん、わかった」



その日はちょっと遠くのレストランで夕食を済ませて、また夜は仲良くなって……。


あっという間に、京都へ戻る時間になってしまった。


寂しいけれど、新たな希望ができたから……笑って先生とバイバイできた。


楽しみ……。


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