教育実習日誌〜先生と生徒の間〜
実習生同士、すぐに仲良くなった。
高校時代はほとんど話したこともなかった他のクラスの人も、ほとんどみんな同期だから共通の話題には事欠かない。
みんな私の指導教官が松本先生で羨ましい、と言ってたっけ。
うふふ~。自分の彼が褒められるのって、すっごく嬉しいんですけれど。
だけどね、実習生仲間の一人、渡辺君だけは、先生の事があまり好きではないみたい。
体育大会の恒例、優勝したクラスと教員選抜チームが競う、かなり本気のドッジボールで、思いっきり先生にボールを当てられたとか。
……ハンドボール部の俺が負ける訳ないのに、えらい気合が入った球を投げられた、なんて愚痴ってた。
気のせい、だと思うんだけどな~。
教科担当の竹森先生も本当に素敵な女性で、まるでお母さんみたい。
実際にはうちのお母さんよりちょっと年上らしいんだけど、竹森先生にも私と同い年の御嬢さんがいらっしゃるそう。
自分の娘みたいだって、可愛がってくれて。
私がこんなに恵まれているのは、先生が苦労したっていう『裏工作』のおかげらしかった。