恋の相手はメイド君!?
照れた顔まで、カッコイイときた。


はにかんだ笑顔は、あたしをキュンとさせる。


変な感じだよね、つい最近までは大人な彼氏に恋をしていたのに。


今目の前にいる千尋は、確かにあたし好みのイケメンだけど、まだ少年っぽくて女より女らしい男の子なのに、あたしはときめいてばっかりなんだ。



「ほな、帰ろうか。はい」

ポンっと、掌を向けて出してきた。


「なんなん?」


「運転、俺がするから鍵貸して。
んで、欄さんはこっちな」

運転までしてくれるのか。

「至れり尽くさりだね。こーいうのって」


「ご主人様の特権っしょ!」


「ふふ。確かに」


助手席に乗り込み、シートベルトを締めると「ほな、出発!」と、車は進み出した。


もうすっかり暗くなった街には、クリスマスムードがたっぷりだ。


色とりどりのイルミネーションが、鮮やかに派手に街を染め恋人たちを盛り上げさせる。


本当なら、あたしもクリスマス彼氏と過ごすはずだったのに……と、気分が暗くなった。


街の明るさに、あたしは消されてしまいそうで不安を感じる。



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