素直に
第33章
     33
 互いにホットコーヒーをブラックで飲みながら、僕たちは検索窓にキーワードを入れ、検索する。


 ネット上ではドイツ語やドイツ本国に関連する情報がたくさん載っていた。


 僕も慧子も必要な分に関してはフラッシュメモリに取り込み、データを集積する。


 今年も二週間ほどしかない。


 僕たちは年末まで研究室に詰めて、可能な限り、データを集め続けるつもりでいた。


 それにもうすぐクリスマスがやってくる。


 僕も慧子も一緒に過ごすつもりでいた。


 お互い、イブと翌日の二日間は予定を入れていなかったのだし。


 ケーキは注文していなかったが、普通に彼女が適当な感じで、ショートケーキなどを二つか三つぐらい買ってくるものと思われた。


 僕自身、こうやって冷暖房が完備されている部屋で研究を続けられる。


 慧子も若干疲れ気味のようだったが、僕は今年一年間があっという間に過ぎ去ったのを感じ取っていた。
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