桜色の片想い
「東藤は優しいね…」


「そんなことない。俺は最低な奴だよ」



私にとって東藤は、とても大きな存在だ。



「しつこい女は嫌われるかもしれないけど…

私に……1ヶ月、時間を…ください…」



大きな賭けだった。



東藤がOKしてくれなければ、私は嫌われる…。



「1ヶ月経っても、何も変わらなかったら、

俺のことあきらめてくれるの?」


東藤の声は優しい。



「うん。スッパリ、何もなかったようにする。

それに、総一の情報くらいだったらいくらでも教える。

一応、近所の奴だし…」



私と総一は、ご近所さんとして小学生の頃から面識があったし、

親同士が世間話をしていたため、家族ぐるみで仲がいい。



そうなると、私も総一も関わらざるを得ない。



だから、人並みにしゃべっていたし、よくゲームもしていた。



総一は少し(?)悪びれて、ヤンキー化しているが、

今も根は変わらずいい奴だからよくじゃべる。



「テストはどうだった?」など、どうでもいい話だが。



しかし、東藤はこの話に食いついてきた。







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