永遠の、愛 ~涙~
「……プッ」


頭上で噴き出したような音が…

と、思ったら、


「君さぁ~、何がしたいわけ?おもしろすぎなんだけどっ」


見知らぬ男の人が傍に立っていた。


ハハハッと大きな口を開けて笑う彼の手の中には少女の羞恥心よりも大切な原稿用紙があった。



少女が驚き彼を見ると、彼はそれを差し出し、


「これ、君のだろ?はい、どうぞ?」



といって、にこりと微笑んだ。


「あ、ありがとう…ございます」


少女はぽつぽつとお礼を言った。


しかし、彼に見惚れてそれ以上の言葉が出てこない。



そんな視線に気がついたかのように、彼はもう一度優しく微笑み、


「どういたしまして」


と言って去って行った。



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