愛情狂現
そういう意味で言うと、僕は彼女の王子というよりも騎士になってしまう。
嘘はよくないなぁ。
大切な春を騙すだなんて、殺したくなる。
でもここは抑えておこう。
だってここで僕が死んだら誰が春を“取り返す”のさ。
どんなお伽話だって王子様はただ一人だろう?
だから春に王子様は二人も要らない。
偽物は、要らないんだ。
春を救えるのは僕だけ。
そして僕を救えるのも、たった一人。
春だけだから―――。