忘れない、温もりを
友人のショップの店先に

僕は腰を下ろしていた。


クーラーの冷風は
火照った身体に
心地いいけど

ちょっと

時々

冷たすぎる。

ナイフみたい



店先に座ると、

アスファルトから
熱が立ち上がる。

陽炎が揺れていた。



今日もこの街は真夏日みたいだ。




真夏日、

7月も終わりの日、


僕は店先で座り込む。




一筋の

光……


じゃなくて

風が



僕を通り過ぎた。

白い、
でも透明な風。




< 23 / 45 >

この作品をシェア

pagetop