忘れない、温もりを
ポケットの中の携帯が鳴ったのは
コンビニを出た直後だった。


手にした携帯の小窓には





と表示されていた。

ビートを刻む着うた
ビートを刻む胸



「…もしもし」
「あ、ひな?俺、仁」
「うん、おはよう」
「おはよー」

耳元で仁の声がする。
実際の声より
少し高く響いていた。



コンビニの外は
さっきまでのそことは違い
すっかり
夏の力を取り戻していた。


「今日ひま?」




今日も暑い日になりそうだ。




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