真夏の白昼夢

どうしてだろうか。


唐突に、そんな。



「…こういうのに詳しい人って…」

そんな知り合いいないよ。


「お母さーん」

呼びかけてみてもお母さんは私を無視。無視というよりは、聞こえていないのか。


「…透明…人間?」


そう考えるのが妥当だろう。

本当に透明人間なのか。とりあえず、外に出てみよう。






…外に出るまでもなく確実に透明人間だ。


手がすり抜けてドアがつかめない。

「えい…!」

なんということでしょう。ドアに体当たりしたら外に出た。

「なんか…やだな…」

こんな経験するなんて…思わなかったよ。




外を歩く。だれも私に見向きもしない。路上で踊ってみたが、みんなガン無視。

すがすがしい。そして切ない。
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