ストロベリーフィールド
校舎を出たところで、見覚えのあるジャケットに目が止まった。
校門を出ていく後ろ姿を、無意識に追っていた。
全身を見ることが出来たときには、声が出ていた。
「翔!」
私の声に、和希が走り出すのがわかった。
歩みを止め、振り返った翔は優しく微笑んだ。
「おう」
息を切らす私たちを涼しい顔で、何もなかったみたいな顔で翔は見ていた。
「来てたなら、声かけてくれればよかったのに」
「お前、俺らに挨拶もなしで卒業するつもりだったのかよ」
「悪い。 ちょっと寄ってみただけなんだ。彩…マフラー、付けてくれてんだな」
目の前に翔がいる…
夢じゃない、幻でもない。
翔がここにいる。
手を伸ばせば、触れられる距離に
翔がいる。
「翔…。当たり前じゃん」
枯れるくらい流したはずの涙が、次々溢れてくる。
「泣くなよ。 俺が泣かしたみたいじゃん」
「お前が泣かしてんだよ!」
和希は笑いながら、翔に飛びかかった。
一緒にいなかったのが嘘みたいに、私たちは笑っていた。
「翔、これありがとう」
制服の袖をめくり、ブレスレットを出した。
「付けてくれてんだな」
「ジャーン!!」
和希も制服の袖をめくり、ヒーローみたいなポーズをとった。
「翔も付けてんだろ?」
からかうように言いながら、和希は翔の袖を捲った。
校門を出ていく後ろ姿を、無意識に追っていた。
全身を見ることが出来たときには、声が出ていた。
「翔!」
私の声に、和希が走り出すのがわかった。
歩みを止め、振り返った翔は優しく微笑んだ。
「おう」
息を切らす私たちを涼しい顔で、何もなかったみたいな顔で翔は見ていた。
「来てたなら、声かけてくれればよかったのに」
「お前、俺らに挨拶もなしで卒業するつもりだったのかよ」
「悪い。 ちょっと寄ってみただけなんだ。彩…マフラー、付けてくれてんだな」
目の前に翔がいる…
夢じゃない、幻でもない。
翔がここにいる。
手を伸ばせば、触れられる距離に
翔がいる。
「翔…。当たり前じゃん」
枯れるくらい流したはずの涙が、次々溢れてくる。
「泣くなよ。 俺が泣かしたみたいじゃん」
「お前が泣かしてんだよ!」
和希は笑いながら、翔に飛びかかった。
一緒にいなかったのが嘘みたいに、私たちは笑っていた。
「翔、これありがとう」
制服の袖をめくり、ブレスレットを出した。
「付けてくれてんだな」
「ジャーン!!」
和希も制服の袖をめくり、ヒーローみたいなポーズをとった。
「翔も付けてんだろ?」
からかうように言いながら、和希は翔の袖を捲った。