狼くんと放課後LOVE(仮)

「ごめん。驚かせて…どうしても立木と話したかったんだ」


そう言って少しずつ近づいてくる酒井くんから鞄をギュウと胸元で抱きしめながら後ずさりした。


「フッ…俺って…かなり嫌われちゃったみたいだな」



困惑した表情で髪を掻く酒井くんの顔は悲しみに歪んでいた。


「大丈夫。なんもしないよ。俺が立木から避けられてるの…ここが痛くなるぐらいよく分かってるからさ…」



左胸を握り拳でトントンと叩きながらニカッと笑った笑顔は強がっているようで。余計に悲しくなった。



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