狼くんと放課後LOVE(仮)

「ごめんなさい…」

「ふっ…謝るなって。マジでヘコむから」


「酒井くん…」



「俺さぁ、後悔してないんだ。立木に、俺の気持ち伝えたこと。


振られたけど…後悔はしてない」



真っ直ぐに見つめるその瞳はうっすらと涙で滲んで見えた。


「本気で…立木が好きだった。今も…まだ未練がないなんて言えないし。立木を振ったことをまだ後悔もしてる」



あんなに大好きだった酒井くんが、あたしのことをこんなに好きだと言ってくれている。


あのキラキラと眩しくて輝いていた酒井くんが、あたしのことで胸を痛めている…。


もしも…宮崎くんのことを好きになる前に言われていたら

あたしは、迷わず酒井くんの胸に飛び込んでいたのかもしれない…。



そう思うと…胸がチクンチクンと痛んで気づいたら涙が溢れていた。



< 187 / 236 >

この作品をシェア

pagetop