Memory with you〜陽はまた昇り繰り返して逝く〜

「あ、久しぶり〜」


大学に入って一段と大人らしくなった佳菜が手を振りながらこっちにやってくる。


「人を呼び出しといて遅いんだよ〜！」


「ごめん、ごめん！」


平謝りする佳菜に見取れた。


平日の午後、僕は佳菜にカフェに呼び出されていた。


「どうしたの？」


「うん、用事って言うのは･･･。
こないだ私と一緒にいた明日香ちゃんのことなんだけど〜･･･。」


その明日香ちゃんと言うのは先日僕の家の前でばったり佳菜に会ったときに一緒にいた友達のことだ。


「陽介のこと一目惚れしちゃったんだって･･･だから今度デートしてあげてくれないかな？？」


ショックを受けてないと言ったら嘘になる。


仮にも好きな子に違う女の子とデートしてくれと頼まれるのは辛かった。


「うーん、いいよ〜。」


気持ちとは裏腹にそう答えるしかなかった。


「ほんと？よかった！」


「じゃぁ私は高野先輩と行くからお願いね！」