マスク・ドール
ピシピシっ バリンッ!

『人形』の体は壊れた。

しかし中から、一回り小さい『人形』が現われたのだ。

「えっ!」

「うそっ!」

二人が目を見開いている間に、人形は糸の隙間から脱出し、そのまま逃亡してしまった。

「あっ、待て!」

「ヒミカ! やめなさい! 深追いは危険よ!」

追いかけようとしたヒミカだが、ルナに止められた。

「きっと製作者の元へ帰ったんでしょう。追いかけるには危険過ぎるわ」

「でもこのままじゃ…!」

「慌てなくても、糸はつなげたわ」

そう言ったルナの人指し指には、ピンッと張り詰めた糸があった。

「これで居場所は知れる。だからいったん戻りましょう。キシも心配しているわ」

「…分かった」
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