マスク・ドール
店内に呼び出されたのはヒミカとキシだった。

「どうしたのよ? 急に。当主からの連絡って」

「お久し振りですね、マカさん」

急な呼び出しでも、二人はすぐに来てくれた。

「急にすまんな。しかしシヅキ達からの依頼でもあってな」

マカは二人が来るまで、事務室でパソコンを操作し、とある事件のことをプリントアウトしていた。

その紙を二人に見せる。

「『顔剥ぎ事件』? …ああ、最近話題になっているわよね」

ヒミカが内容を読み、険しい表情をする。

「ああ。見た目が良い女性や、何かしら才能を持つ女性の顔が剥ぎ取られ、殺される事件だ。コレを解決するようにと、当主から言われた」

「シヅキさん達との関わり合いはなんですか?」

「シヅキ達の職場である『地下鉄』は、乗車客を管理している。…だがこの被害者達は訪れないそうだ」

死者を乗せる『地下鉄』で働くシヅキ。

だが最近は乗客名簿に名前がある者達が、来ないという。
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