マスク・ドール
「ああ、それでだ。ヒミカ」

「何よ?」

「これから犯人を見つけるまで、徹夜で頑張ってくれ」

「…何を?」

「見張りを」

マカとヒミカの間で、微妙な空気が流れた。

「えっと、マカさん? つまりヒミカに見張りをしろってことですか? しかも犯人を見つけるまで」

「そう言っている。ヒミカは血・肉の匂いに鋭いし、怪しい匂いがしたら、お前の身体能力を使えばすぐに駆け付けられるだろう?」

「否定はしないけど…。えっ? 警察犬の真似事をしろって?」

「今のところ、それしか手がないんだ。だからお前達を呼んだ」

「ああ、なるほど…って納得できるかっ!」

バサッと紙を掴み上げ、ヒミカは激怒した。
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