蜜に恋して
「…っ、ユ、ユキ……っ」
「あ、香椎君に頼めた?って…えっ!?みつ?どうした〜!?」
「っ…、も、なんか、苦しくて…でもなんで苦しいのか…分かっちゃって……っ。」
「み、みつ、ちょっと落ち着いて!!ほら、あっち行こ?ね?」
昼休みももう終わりそうだというのに教室から出た私たちの足は中庭へ向かっていた。
「…それで?何があったの?」
「…陸が……美沙ちゃんが………。」
中々先に進まない言葉にユキナも何と言葉をかけてよいものやら黙ったまま背中をさすった。
「…ユキあのね、私、陸のこと…す……スキ……みたいでね…」
「うんうん。(やっと気づいたのね…)」
「屋上前で美沙ちゃんが…陸に…抱いてって…。教室でもしたことあるじゃんって、言ってるの聞いちゃって…、すごく辛くなっちゃって…。」
「え、それ、美沙が言っただけでしょ?」
「う、うん…そうだけど…」
「じゃあ嘘だよ多分。
香椎君に限って…ナイナイ。」
クスクス笑うユキがよくわからなくてじっと見つめると、
「あのねー、あんまりこーゆうことは私から言わない方がいいと思って黙ってたんだけどねぇ、香椎君が美沙と付き合ってたのって、みつが嫌がらせ受けない為に仕方なくだったんだよ。
ほら、みつ一年の初め頃、香椎君と仲良いの妬まれて嫌なことされたことあったでしょ?」
「え…そ、そうだったの…?」
「うん。だってありえないでしょー。香椎君っていつみてもみつのこと大好きじゃん?」
「っえ!?」
「あ〜ちょっとこれは香椎君に怒られるかもぉ…。とりあえず、みつが思ってるようなことはないだろうから、今日二人で話してきなよ。」
「…うん。わかった。」
5限はサボって、私はひどい顔だったからそのまま保健室に寄った。
