Love Slave
車が校舎の中に入る。
でも、ここは裏門だ。


「あれっ、どうしてこっちなんですか?」


「・・・・いろいろ事情ってもんがあるんだよ」


面倒臭そうに言った。


「ってなわけで、朝の生徒会の集いは無しだ」


背中を見せながら手を振り、進学コースの校舎へ行ってしまった。


「・・・・・・・?」



ガラッ


「世紀の大スクープよー!!!」


「!!?」


教室に入った途端、バカでかい声にびっくりした。
見ると、かなり久しぶりに会う新聞部部長・日向梅子の姿がそこにあった。


「噂をすれば、早乙女さんが来たわ!今日の朝の集会もなかったから、この話は本当なのね」


「は、話って?」


「とぼけんじゃないわよ。今日の朝刊見たでしょう?」


バン、と今日の朝刊を見せつけられる。裏一面。


『草薙財閥と三枝グループ、締結決定か』


それって、会長と繭さんの会社のこと?


「会社の問題のことですか?」


「そんなんどうでもいいわよ。重大なのはこの記事よ」


私が気付かないものだから、日向先輩がビシッと指差す。


『草薙財閥御曹司・草薙大和、三枝グループ社長令嬢・三枝繭、今夜婚約を発表』


そのとんでもない記事にド肝を抜かれた。
< 236 / 281 >

この作品をシェア

pagetop