ボクがキミをスキな理由【短編集】


その余裕な笑顔を崩したくて


「そんな顔してられるのもいまのうちやからなっ!!」


フンッと悪態つきながら
俺はチャリのハンドルを持つ手を
強くさせる。



そしてハァ~と息を吐くと
大声でこう言ったんや。





「アンナ、覚悟しとけよ!!
絶対に俺に惚れさせてやるからな!!」



「…えぇ??」



「俺はな!
この際やから言うとくけど、オマエのコト気になって気になってしゃーないねん!!!」





恋愛経験のない俺に
恋愛上級者のアンナ



そんなアンナに小細工使おうと頑張ったって、察してもらおうとしたって、全部無駄な努力に終わってしまう気がした。





恋愛ビギナーで
チェリーボーイで
ケツの青い小僧な俺




そんな俺がオトナなイイオトコぶったって、きっとアンナは相手にしてくれない。




俺は俺らしく
ガキはガキらしく
正面突破で突っ込んでいってやる!!






そう…
腹をくくった俺は




「アンナ、そうやって余裕こいて笑ってられんのも今のうちなんやからなーっ!!俺はオマエのことが多分好きなんやーっ!!」




そう思いっきり叫んで
ビシッとアンナを指差すと



アイツはちょっと面食らったような顔をしてたけど、ニッコリ笑ってこう言ってくれたんや。





「ありがとう、レオ。
君のそういう真っ直ぐなところ、キライじゃないよ。」




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